また同じ妄想ですみません。
今日は彼とお付き合いをすると決めてから、初めてのデート。
何日も前から洋服とアクセサリー選びにあれこれ迷って、お肌のお手入れも入念に、マッサージやローションマスクも欠かさなかったけれど、ゆうべは緊張してよく眠れなかったからちょっと寝不足。
去年の夏の終わりに、愛していた人が私のもとを去った。
身も心も全てを投げ出し、捧げつくした恋だったけれど、あの人にとっては付き合っているのは私だけじゃなかった。
でもそれでもいいと思えるほどに、愛していた。
一人になってぼろぼろになった私のそばに彼はそっと寄り添っていてくれた。
いつも笑顔で穏やかで私だけを大切にしてくれる。
秋が来て冬になり、春がめぐって来た頃に、彼の気持ちに応えたい、これからは私も彼を支えてあげたい、そう思って差し出された彼の手を取った。
そして今日。私は彼のものになる。
待ち合わせの時間まであとわずか。鏡の中の唇にピンクオレンジのルージュをひいている…その時。
チャイムが鳴った。
あの人だった。私を捨てて去って行ったはずの、あの人。
どうして、今さら?心臓が凍りついた。
悪魔のようなあの人は、私を魅了してやまなかった美しく冷たい微笑を浮かべて、私を壁に押しつけた。
離して…私は彼のところへ…
意志とはうらはらに、抵抗する力が抜けていく…
あ、もう時間だから、スカステ消して部屋を出なきゃ。
えっ、何の話かって?
初めてみっちゃんのお茶会に行く時に、ホテルの部屋で出かける準備してたらスカステに未涼さんが出て来たっていう話。
やだなあ、お茶会の時はみちこさんのことだけしか考えてなかったですよぉ。
それはそれ、これはこれ。