チーズケーキとお堅い女。(ガイズ&ドールズ)
ガイズ&ドールズ1幕で、ネイサンがスカイにミンディのチーズケーキの売り上げをめぐって賭けを持ち掛ける場面があります。
スカイいわく、「ミンディのチーズケーキはみんな大好きさ。」(あれ、俺も大好きさ、だったかな?)
実は英語のチーズケーキには、俗語で肉体美の女性、平たく言うとセクシーなお姉ちゃんという意味があるんだよね。
スカイもみんなも、男はセクシーなお姉ちゃんとイイコトするのは嫌いじゃない。
でもスカイはそれ以上に、ギャンブルというビジネスのために情報収集する方が大事なんですよ。
そう、仕事熱心、ワーカホリックなギャンブラーなんですね、スカイは。
ここらへん、みちこさんの律儀さが表れた役作りよね。
で、ネイサンのチーズケーキの賭けの提案をうまくかわして断ったものの、結果的にスカイは救世軍のお堅い女軍曹サラを口説き落とすという賭けに乗るハメになってしまう。
まさに、「親父、ハメられたよ!」というわけね。
この、チーズケーキの賭けよりもギャンブルというお仕事を優先した挙句、堅気の女を落とす賭けを選ばざるを得なくなるというくだり、何気にスカイという男の人間性と、この物語の構造を象徴している場面だよなあと思う。
つまり、セクシー美女との恋愛には重きを置かない男スカイだが、一途で信念を持った真面目な女性にはいつの間にかひかれちゃって化学反応が起こっちゃうわけだけど、それは自覚的に行われるのではなく、偶発的な流れによって引き起こされるという、まさに運任せ!
恋は化学(反応)と運任せ、なんですねえ。
ちなみに宝塚とは無関係だけど、チーズケーキの俗語での意味は、高校生の頃に岡村靖幸の曲を聴いて「夜な夜なチーズケーキ求めて走る」ってどういう意味?!って友達と英和辞典を引いて調べて知った思い出があります。思わぬところで役に立つもんですなあ。