未涼亜希退団後の私。
未涼亜希という濃厚で中毒性のある沼に引きずりこまれてから、退団までのおよそ半年。
本当に、大好きで、大好きで、大好きでした。
自分の人生で、もう一度こんな風に誰かを好きになることがあるなんて、夢にも思っていませんでした。
しかも好きになってすぐに退団が発表され、いわば常に終わりを意識しながら深みにはまっていく恋。
私の周りの未涼さんファンは、未涼さんを「世界の愛人」「結婚しても絶対幸せにしてくれない人」などと評しますが、本当に決して振り向いてくれることのない、けれどそれだからこそ愛さずにはいられない、唯一無二の稀有なスターでした。
当然のことながら、退団後はぽっかり心に穴が開き、抜け殻になったような、でもどこか清々しくやり切ったというような、複雑な思いでした。
でもこれからも未涼さんのいた宝塚からは離れないだろうと思いました。未涼さんが言い残したように雪組を応援しよう。
そして、未涼さんと同期の北翔海莉さんをこれからはゆったりとした気持ちで観続けよう、そう思ったのです。
ときめきが欲しいなら未涼亜希。
癒しが欲しいなら北翔海莉。
切なくなりたい時は未涼亜希。
優しくなりたい時は北翔海莉。
未涼さんが退団する前から、私の中での北翔さんはいつしかそんな風に位置づけられるようになっていて、9月以降はみっちゃんをゆるやかに見守る、そんな未来が脳裏に描かれていたのです。
そう、あの日が来るまでは。